今日もあなたに恋をする。
そして明日もきっと…………。
「あいり〜。弁当頂戴」
「また?いつもじゃん」
「ブツブツ言いながら作ってくれてんじゃんいつも」
だって………美味しいって言いながら食べてる姿見ると嬉しんだもん。
なんて言えるわけもなく……
「優が細くて死んじゃいそうだから作ってあげてんの!感謝してよね〜」
「はいはい。ありがとなあいり」
きっと私が作らなくても作ってくれる女の子はたくさんいるはずなのに優は私の作った弁当しか食べない。
寝坊して作れなかった時も"お前の弁当じゃなきゃ食べない"本人いわく弁当には個性が出るって言ってたけど、そんなことですら私の心は晴れちゃう。
「ねぇあいり。佐藤ってさ、あいりのこと好きなんじゃない?」
「え〜なに言ってんの。優は私のことそんな風に思ってないよ」
「そうかな〜?いい感じだと思うけどな」
「ほら、しかも優だよ?幼馴染だもん」
……自分で言った言葉なのに
幼馴染ってフレーズが私の胸に突き刺さる。
私たちが幼馴染じゃなかったら?
きっと優は私の弁当食べてくれない。
教科書忘れて借りにきてくれない。
変な遊びした!って写メもくれない。
そして何より"あいり"って呼んでもくれない。
私の中で大好きな優は幼馴染じゃなきゃダメなことばっかりで優のことになると貪欲になっちゃう自分が怖くて…
でも、ほら、また今日も………
「あいり。すげーうまかった。また明日もよろしく」
去ってく優の背中を見ていつかこの背中に追いつけるのかな?って
らしくもないこと考えちゃう。
優くん………恋ってすごいんだね。
また今日もあなたに落ちてくよ。