細かい雨が降って、
やがて、雲の隙間から
太陽の光がさしこむ。
外に出てみれば
虹がかかっていた。
美しかっ。
誰もが空を見上げ微笑む。
僕は目を背けた。
あまりに美しくて、
自分が惨めだった。
みんなが、幸せを噛み締める。
僕は儚くて美しいものが
酷く切なく、
寂しかった。
どうしてだろう。
見ていたくないと思った。
幸せなんていらないとおもった。
あんなのまやかしだ。
一瞬で消えてしまう。
なんて悲しいんだろう。
そんな、幸せいらない。
僕は幸せに程遠い。
不幸せだ、こんなのあってたまるか。
誰もが悲観するなと言った。
すんなことができりゃ
苦労してない。
虹なんて嫌いだ。
太陽も嫌いだ。
誰も助けてくれないくせに。
虹はやっぱり綺麗だった。
僕は背をむけて歩きだした。