フォルスタ&フォル東条のSSです。
三人で添い寝ネタ、やってみたくて←おい
*attention*
フォルスタ&フォル東のSSです。
学パロ(本家Laurentia!)設定です
ほのぼのなお話です。
三人で添い寝ネタなお話です。
一緒に寝ようといってたフォルの有言実行。
照れてるスターリンさんと東条さんが書きたかった…←おい
一度言い出したら聞かないフォルですみませんお二人とも(笑)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKというかたは追記からどうぞ!
「ふぁあ……」
亜麻色の髪の少年は廊下を歩きつつ、盛大な欠伸をした。
そして子供のように寝ぼけた声で呟いた。
「ねーむいー……」
「眠い眠いいってるといっそう眠くなるのだよ……」
彼、フォルの隣を歩く浅緑の髪の少年、スターリンはフォルにそういって苦笑した。
会議室でこなしていた仕事をおえ、二人で部屋に戻る途中なのだが、
フォルはどうやらはしゃぎ疲れたらしく、歩く道中ずっと眠いといい続けている。
足取りも覚束なくて、スターリンが支えるような、引きずるような形になっていた。
「ほら、あとちょっとだからちゃんと歩くのだよー……」
「んぅ……眠いよぉ、書記長様ぁ……」
子供のような声をあげる彼を引きずって歩くのはスターリンだって疲れるし、
何よりまだ廊下を行き交っている生徒はいるわけだから、恥ずかしい。
頼むからしっかり歩いてくれ、と励ましつつ、
半分意識を落としかけのフォルを引きずって自室に歩いていった。
宿泊施設の長い廊下を歩いて、スターリンとフォルは宛がわれている部屋に戻った。
どうにかたどり着いた、というようにスターリンは溜め息を吐き出す。
ドアを開ければ、椅子に腰かけて本を捲っている黒髪の少年が振り向いた。
彼らの同室者である彼……東条は戻ってきたフォルとスターリンを見て、微笑む。
「おぉ、スターリン殿、フォル殿。
すまぬ、先に戻っておったのだ」
「あぁ、構わねぇのだよー、今の今まで生徒会の仕事してたから」
スターリンはそういいつつ壁掛けの時計を見て、
"思いの外かかったみたいだな"と小さく呟いた。
もう少し早く片付くと思ってたんだけど、と呟くスターリンにつられたように、
東条も壁掛け時計の方を確認して、声を洩らした。
「ふむ……それは大変であったな……」
こんな遅くまで、といって東条は苦笑する。
今回の行事の主催がスターリンたち……本校の生徒会であることは知っているため、
仕事をしているのだろうな、ということは大体想像がついていたが、
これほど遅くなるとは、ちょっと思っていなかった。
フォルはそんな彼に"やっと戻ってこれたよー"といいながら、笑いかける。
そして、大きな欠伸をひとつした。
「ふぁ……」
「ふふ、フォル殿は眠たそうだな」
大欠伸をして目を擦るフォルを見て、東条はふっと笑う。
擦ってはならぬぞ、といいながらフォルの手を止めてやる辺りが、
ほぼフォルの保護者と化している。
スターリンは溜め息を吐きながら軽くフォルの頭を叩いた。
「廊下、ほとんど引きずって戻ってきたのだよ……」
「だって眠いんだもん……くぁ……」
少し頬を膨らませてそういうフォルは本当に眠そうで、
東条は軽くそんな彼の頭を撫でてやりつつ、目を細めながらいった。
「ふふ、ならば寝るとしようぞ。
そろそろ消灯時間らしいから明かりも消えてしまうであろう」
「ま、そうだな。
俺たち朝も仕事あるらしいし、寝るか……」
スターリンも東条の言葉に同意する。
一応今日の分の仕事は終わったが、まだ明日もやることはあるようだし、
何より、明かりが消えたらほとんどすることもなくなる。
せいぜいお喋りをする程度だろうし、それならばベッドに入ってからでもできる。
フォルはそんな彼らの言葉に嬉しそうに微笑んだ。
そして、ぎゅっとスターリンと東条の手を握る。
「ほら、寝よー」
「うむ……ならば私は一番端のべっどで……っ」
「!?ちょ、フォルっ!」
何処のベッドで寝るか、という話をしかけていた時、
スターリンと東条が軽く悲鳴をあげた。
その原因は無論フォル。
理由は単純明快で……
フォルが彼らの体を抱き込んで、ひとつのベッドに飛び込んだからである。
「お、おいフォル!」
自分達をしっかり抱いたままベッドのなかに潜ろうとするフォルに、
やや慌てたような様子でスターリンは声をかける。
フォルはそんな彼に小さく首をかしげてみせながら、笑った。
「一緒に寝ればいいんだよ……
そしたら誰が何処のベッドで寝るとか決めなくていいんだし」
「そ、そういう問題では……!」
東条も焦ったような、寧ろ照れたような顔をしているが、
フォルはそんなこと一切お構い無しに、二人に微笑む。
「僕が真ん中ね」
「話を聞け馬鹿フォル!」
スターリンから叱りの言葉が飛ぶが、お構い無し。
器用に足で布団を剥いでなかに潜り込もうとする。
「いいじゃない、此処のベッド大きいからきっと落っこちないよ」
「そういう問題じゃないっていってるのだよ!」
「……書記長様は嫌なの?僕と寝るの」
少し拗ねたような彼の声色にスターリンは怯む。
このタイミングでそれは狡いのだよ、とぼやくが、
フォルは"嫌なの?"と微笑みながら問いかける。
「嫌、じゃねぇけど……恥ずかしいのだよ」
「私もぞ……」
東条もスターリンの言葉に同意する。
別にスターリンと寝るのが嫌とかフォルと寝るのが嫌とか、
そういうわけではないのだが、如何せんこの体勢で一緒に寝る、というのは……
恥ずかしいわけで。
フォルはそんな二人の反応に小さく溜め息を吐き出した。
そして、一度だけ腕を緩める。
「恥ずかしくなんかないよ……
だって、僕らしかいないんだからさ」
「そ、それはそうであるが……」
東条はそういいつつ藤色の瞳を泳がせる。
確かに、誰かが部屋に訪ねてくるということはそうないだろう。
点呼は既に終わっているし、消灯以降は原則他の部屋への移動は禁止だ。
フォルはそれを見るとあと少し、と言うように少し口角をあげて、言う。
「それに、少し寒いじゃないか……一緒に寝た方が暖かいよ」
「暖かいのは、まぁそうだろうけど……」
スターリンも小さく呟く。
今夜は少し冷え込むと予報が出ていた通り、確かに肌寒い。
こうして三人でくっついているのは確かに暖かいのだが……
「ほら、なんの問題もないじゃない」
決まり、といってフォルは再びスターリンと東条を抱き込んで、布団に潜った。
やや強引に毛布と掛け布団に二人を入れると、ほっと息を吐く。
「暖かいー」
「そ、そりゃ暖かいけど……はぁ、もういいのだよ」
スターリンは諦めたように溜め息をひとつ。
そして、"本当に我儘な奴なのだよ"と苦笑気味にいう。
フォルがこうする、と決めたときにそれを覆せたためしがない。
東条はスターリンがそういったのを聞いて、小さく苦笑した。
「まぁ、たまにはこれも良い、のかもしれぬな……照れ臭いが」
「ふふ、照れてる東条さんもかわいーよ」
フォルはそういいながら満足げに笑う。
そして、二人の体をしっかりと両腕で抱き寄せた。
「くっついてないと落っこちるよー」
「流石に三人では狭いのだよ……」
「でも、大丈夫。二人とも細いから」
そんなことをいって、フォルは笑う。
ふと隣を見れば、まっすぐに自分を見ているフォルの青い瞳とかち合って、
スターリンはやや慌てたように視線を逸らす。
そして照れ隠しに溜め息を吐き出して、いった。
「ったく……
何が悲しくて男三人で添い寝しなきゃいけないのだよ……」
「なにも悲しくなんかないよ。
暖かくて気持ちいいじゃない……だめ?」
そんな言い方をされてダメと言える奴がいたら見てみたい、と言う顔をするスターリン。
溜め息を吐き出すとすこし手を動かしてフォルの額を小突いた。
「眠かったんじゃないのかよ……」
「眠いよ。でも、書記長様と東条さんと一緒じゃないと寝ない」
「子供のようなことを言うな、フォル殿は……」
東条の指摘にもフォルは微笑むばかり。
ほら寝よう、といって自分達を抱き締めて寝息をたてる彼をみて、
"まったく"と小さく呟くと、スターリンと東条も目を閉じた。
ーー Good night my friends ーー
(感じる、大切な人たちの暖かさ)
(寝息をたてる我儘少年に付き合って共に眠る、そんな夜)