ワルキューレコンビ&お兄様たちのお話です。
前に聞いた、子供時代のようにスキンシップをとろうとするお兄様を思い出しまして…←
照れてる大佐殿可愛いと思います(おい)
*attention*
ワルキューレコンビ&お兄様たちのお話です。
本家Laurentia!でのお話です
ほのぼのなお話だと思います
前半はヘフテンさんと、後半はお兄様たちとのお話です
昔は今よりもっとスキンシップが多かったご兄弟のお話を聞いて…←
変わらないヘフテンさん、変わらないお兄様たちを感じる大佐殿を書きたくて…!
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
鮮やかな夕焼けに染まる、帰り道。
シュタウフェンベルクは友人であるヘフテンと一緒に歩いていた。
爽やかな初夏の風が、二人の髪を揺らす。
ヘフテンの鮮やかな金髪を照らす夕日。
きらきらと、ヘフテンの髪が煌めき、シュタウフェンベルクの黒髪が風に揺れる。
ヘフテンはにこにこと嬉しそうに一緒に歩いている彼、シュタウフェンベルクを見上げる。
背が高いシュタウフェンベルクと並んで歩いていると、まるで兄弟のようにさえ見える。
そのことを、ほかでもないシュタウフェンベルクは少し気にしていたのだけれど……
そうしてニコニコしながら自分を見上げるヘフテン。
シュタウフェンベルクはそれに気が付くと、彼に向かって首を傾げた。
「どうかしたのか?ヘフテン」
何かそんなに嬉しいことがあったのか?と問いかけるシュタウフェンベルク。そ
んな彼の言葉に、ヘフテンは一瞬きょとんとした。
その後、明るい笑みを浮かべる。
「ふふっ、大佐と一緒にこうして帰れるの、嬉しいんですよ」
ヘフテンは彼の問いかけに笑顔でそう答えた。
子犬のように従順で、明るい笑顔を浮かべて。
それを聞いてシュタウフェンベルクは目を丸くした。
唐突に彼がそんなことをいうのに驚いた。
いつも一緒に居るじゃないか、ということは言わない。
ヘフテンが言いたいのは……
こうしたちょっとした時間を自分と一緒に居られて嬉しい、ということだろう。
いつも、ヘフテンはシュタウフェンベルクにそういっていたから。
そんな彼の言葉を聞いて、シュタウフェンベルクは小さく息を吐き出した。
「帰るだけで、申し訳がない気はするけどな……」
自分と一緒に居たいといってくれる彼。
いつも自分を支えてくれる彼。
たまには一緒に出掛けたりできたら良いと思うが……
なかなかそういう時間も機会もない。
だから、それは少し申し訳がないとシュタウフェンベルクは思うのだ。
そんなシュタウフェンベルクの言葉にヘフテンは一瞬だけ驚いたように目を見開いて……
それから、すぐに、ふわりと笑った。
そして、ゆっくりと首を振りながら、いう。
「ふふ、こうやって一緒に居られるだけでいいんです」
僕はそれだけで十分嬉しいですから、とヘフテンはいう。
シュタウフェンベルクは彼のことを見ると、ふっと笑みを浮かべた。
そして、"ありがとう"と礼を言う。
彼の様子を見て、ヘフテンは"あ、でも"と小さく声を上げた。
不思議そうに首を傾げるシュタウフェンベルク。彼を見て、
ヘフテンは少しだけ照れたように頬を赤く染めつつ、シュタウフェンベルクに言った。
「また今度、一緒にお出かけ出来たら嬉しいなとは思います!」
いつでも大丈夫ですから!とヘフテンはいう。
彼にとってシュタウフェンベルクは大切な、大好きな友人。
ゆっくり一緒に出掛ける余裕はないかもしれないけれど、もしその時間があったら……
その時は、一緒に出掛けたいとそう思う。
ヘフテンの言葉を聞いて、シュタウフェンベルクは幾度か瞬きをする。
ヘフテンは"駄目ですか?"というように小さく首を傾げる。
それを見て、シュタウフェンベルクは応えた。
「……そうだな」
シュタウフェンベルクは小さく頷く。
彼がそういうのなら、また一緒に出掛けるのも良いかもしれない。
そんなことを考えながら前を見る。
空はすっかり夕焼け色だ。
「すっかり遅くなったな……済まない、ヘフテン」
私に付き合わせてしまって、とシュタウフェンベルクはヘフテンにいう。
こうして二人で一緒に帰るのは決して珍しいことではないのだが、
日が長くなったこの時間に一緒に帰るというのは少し珍しい。
というのもシュタウフェンベルクの用事をヘフテンが手伝って待っていたからなのだが……
済まない、と詫びるシュタウフェンベルクを見て、ヘフテンは微笑んでゆっくりと首を振った。
「僕が好きで待っていたんですよ!
大佐を少しでもお手伝いしたかったから……
だから、お気になさらないでください!」
世辞でも気遣いでもなんでもなくそういってのけるヘフテン。
昔から変わらない、純真な彼……
それを見つめて、シュタウフェンベルクは穏やかにふわりと、表情を緩めたのだった……――
***
そうしてヘフテンと一緒に歩いた後、別れた。
そして、シュタウフェンベルクは自分の家にたどりつき、ドアを開ける。
今日は、彼の兄たちのほうが早く帰っていたようで、鍵を使わずともドアは開いた。
「ただいま帰りましたー」
そう声を上げると同時、ぱたぱたと走ってくる音が聞こえた。
リビングの方から一つの影が出てくる。
それはシュタウフェンベルク……基、クラウスの兄であるベルトルト。
彼は嬉しそうに笑いながら、自分たちより少し遅くに帰ってきた弟を迎えた。
「お帰りクラウス!遅かったね」
「ちょっと長めにかかってしまって……」
クラウスはややすまなそうにベルトルトに詫びる。
―― そう。今日帰りが遅くなったのは彼が日直で仕事をこなしていたから。
ヘフテンもそれを手伝ってはくれたのだが、こなす仕事が案外多く、
帰りが少し遅くなってしまったのだ。
「連絡を入れようかとも思ったんだが、そこまで遅くはならないだろうと思って……」
「構わないよ。もう少し遅かったら僕から連絡しようと思ってたけどね」
冗談っぽく笑いつつ、ベルトルトは自分の携帯を揺らす。
そんな彼を見て、クラウスは苦笑した。
確かに、彼なら冗談でなく本気でかけてきそうだ。
ベルトルトは彼を見て小さく首を傾げると、訊ねた。
「一人で帰ってきたの?」
「いや、ヘフテンとだ。待っててくれて……」
手伝っても貰った、とクラウスが答えると、なるほどというようにベルトルトは頷く。
そして……すっと、クラウスの頬に手を添える。
クラウスはそんな兄の行動に驚いたように目を見開いた。
「兄さ……」
一体なんだ、と彼が問いかけるより先。
クラウスの頬に暖かく濡れた何かが一瞬触れた。
ちゅっと、小さなリップ音が聞こえる。
……頬にキスをされたのだということに、クラウスは漸く気が付いた。
そして、驚いたように大きく目を見開いた。
唐突な彼の行動。
いったい、彼は何を……それを考えることは出来なかった。
羞恥で頬が真っ赤に染まる。
言葉を発することは、出来なかった。
「〜っ!?」
予想外の兄の行動に、思わず言葉に詰まるクラウス。
彼にキスされた頬のあたりに触れながら、フリーズしている。
それを見て、ベルトルトはにっこりと微笑む。
そして優しく、クラウスの頬を撫でた。
そして、悪戯っぽく笑って、いう。
「昔みたいに、お帰りのキス」
してみたんだけど、とベルトルトはいう。
クラウスはそんな兄の言葉に、大きく目を見開いた。
そして、ぐっと唇を噛みしめながら、言った。
「む、昔って……っ」
子供時代じゃないか!とクラウスは叫ぶ。
確かに昔は、あんな行動をとっていた。
キスだってされたし、無邪気で無知だった自分自身もまた、兄たちにキスを返していた。
けれど今となってはある意味で思い出したくない過去だ。
友人……クヴィルンハイムのおかげで気づいた、兄たちの少々強すぎる自分への愛情。
おかげで、学内で抱き付かれたり、或いは頬とはいえキスを交わすというのはやや異常だと……
それを理解した。
おかげで、こうしてキスをされるとどうしても昔より照れるし、焦る。
しかしそんな彼を見てもベルトルトは嬉しそうに笑うだけだ。
「照れてるクラウスも可愛いなぁ」
照れた顔は変わらないなぁ、と呟くように言うベルトルト。
細められた目。
彼の頭の中では、幼少時代のクラウスの姿が浮かんでいるのだろう。
それは、クラウスにも想像できた。
"変わらないな"という兄の言葉を聞いて、クラウスは驚いたように目を見開いた後、
かぁっと更に頬を赤く染めて、言った。
「か、可愛くないっ!というか、やめろ兄さん……!」
恥ずかしいから、と叫ぶクラウス。
ベルトルトはそんな彼を見てくすくすと笑うだけ。
寧ろそのまま、クラウスの身体を抱きしめる。
「もー、そんなに照れなくても良いじゃないか!」
「照れるも何も……!」
恥ずかしいに決まっているだろう、と応えるクラウス。
その言葉が、ベルトルトとのやり取りが聞こえたのか、
もう一人の兄……アレクサンダーも顔を出した。
そして、クラウスに抱き付いているベルトルトを見て、むくれた顔をする。
「狡いぞベルトルト!お帰りクラウス!」
そういいながら、アレクサンダーもクラウスに抱き付く。
だいぶ気温も上がっている所為で、かなり暑い。
でも、兄たちは離す気配がない……
―― 私は変わらないと兄さんは言ったけれど……
そんな兄たちの様子も相変わらずだ、と思いながら、クラウスは溜め息を吐き出した。
―― Never change ――
(昔から変わらないもの。
それは、少し困ったものでもあるけれど…)
(変わらない、そのことに何処かほっともするんだ。
兄さんたちにせよ、ヘフテンにせよ……――)
2014-5-31 18:11