ワルキューレコンビ&クヴィルンハイムさんでのお話です。
オフ会で色々お話してたらやりたくなりまして…←
PC強制終了の謎に悩まされつつですが楽しくかいておりました←
*attention*
ワルキューレコンビ&クヴィルンハイムさんでのお話です
ほのぼのなお話です
前半は大佐殿とクヴィルンハイムさんでのお話
後半はワルキューレコンビでのお話です
ヘフテンさんの不在にちょっと寂しいというか違和感抱いてる大佐殿を書きたくて←
そして星蘭の花言葉ネタです←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
艶やかな黒髪の少年、シュタウフェンベルクは静かで穏やかな眠りの中にいた。
暖かくて柔らかな布団の中。
まだ日は昇ったばかりで陽射しは決して眩しくはなく、心地よい。
昨夜寝苦しかった所為で開けっ放しだった窓から風が吹き込んで、柔らかくカーテンを揺らす。
そんな穏やかな空間で眠っていた彼は、そっと肩を揺らされた。
たぶんヘフテンだろう半分寝ぼけた意識で、シュタウフェンベルクはそう思う。
いつもこうしておこしに来てくれるのは彼だ。
お世辞にも寝起きが良いとは言えないシュタウフェンベルクを、
やや苦笑気味にでも起こしに来てくれる金髪の彼……ヘフテン。
感覚的にそろそろ起きなければならないということは理解できる。
恐らく彼が起こしに来てくれたのだろうとも感じる。
しかし……
いつもより幾分揺らし方が弱い。
ついでに言うなら、いつものように"大佐朝ですよ!"何て声が降ってこない。
一体どうしたのだろう。
そう思うと同時、彼の耳に聞こえたのは聞きなれた彼の声より幾分低い、落ち着いた声だった。
「クラウス、起きなさい。
そろそろ起きないと軍議に遅刻するでしょう」
呼びかけ。
口調。
何よりその声にシュタウフェンベルクは少し驚いた。
ヘフテンではない。
しかし十分に聞き覚えのある声……
ゆっくりと目を開けたシュタウフェンベルクの目の前にいたのは、
彼の友人である、クヴィルンハイム。
少し呆れたような顔をして苦笑しつつ、シュタウフェンベルクを見つめている。
幾度か寝ぼけたような瞬きをした後、シュタウフェンベルクは掠れた声で彼の名前を呼んだ。
「ん……メルツ……?」
彼の言葉にクヴィルンハイムは頷きつつ、そっとシュタウフェンベルクの額にかかった前髪を払う。
そして苦笑しつつ、言った。
「えぇ、私ですよ。そろそろ起きてください」
軍議に遅れますよ、というクヴィルンハイムの言葉にシュタウフェンベルクは体を起こす。
そしてごしごしと目を擦った。そしてゆっくりと周囲を見渡す。
やはりそこに金髪の少年の姿はない。
ごし、と目を擦りながら、シュタウフェンベルクは彼に問いかけた。
「ん……ヘフテンは?」
何処に居るんだ?と問いかけるシュタウフェンベルク。
いつもならとっくに起こしに来ているヘフテンの姿が此処にない。
それは何だか酷く違和感のある光景で……――
そんなシュタウフェンベルクの言葉を聞いて、クヴィルンハイムは小さく笑って、言った。
「彼は少しすることがあると話していましたよ」
だから私が代わりに起こしに来たんです、と彼はシュタウフェンベルクに言う。
その言葉を聞いてシュタウフェンベルクは幾度か瞬きをした。
そして、小さく溜め息を吐き出しつつ、言う。
「そう、なのか……」
なるほど、それでいなかったのか。
シュタウフェンベルクはそう思いながら溜め息を吐き出す。
そんな彼の反応を見て苦笑したクヴィルンハイムは小さく首を傾げて、彼に言った。
「軍議に自分もいた方が良いなら呼び戻してくれと話していましたが……」
呼び戻します?とクヴィルンハイムは問いかける。
シュタウフェンベルクは少し躊躇うような間をあけた後、小さく首を振った。
「いや、一人でも大丈夫だ。
……でも、何処にいったんだ?」
別に、軍議にヘフテンが参加する必要性はない。
しかし……気になった。彼は一体こんなに朝早くから何処にいってしまったのか。
そんなシュタウフェンベルクの不思議そうな顔を見て、クヴィルンハイムはゆっくりと首を振る。
「さあ……私も聞いていませんね」
事実、クヴィルンハイムも何も聞いていなかった。
朝早くに訪ねてきたと思ったら、今から自分は少し出かけてくるから、
時間になっても大佐が来ないようなら自分の代わりに起こしに行ってほしい、と頼んできたのだ。
それ以外は彼から何も聞いていない。
シュタウフェンベルクはそんなクヴィルンハイムの言葉を聞いて顔を顰めた。
「……危険なことでなければ良いが」
ヘフテンはいつも、シュタウフェンベルクに迷惑をかけまいとして無理をする。
そのことをシュタウフェンベルクもよくよく知っているから、不安なのだろう。
クヴィルンハイムはそんな彼の様子を見て小さく笑いながら、言った。
「過保護ですねクラウス……
でも流石にないでしょう。
そんな雰囲気でもありませんでしたし」
先程自分の所へ訪ねてきたシュタウフェンベルクの副官。
彼は、別に何かを思いつめている様子でもなければ、考え事をしている風にも見えなかった。
シュタウフェンベルクのいうように何か危険なことをしようとしている風にも見えなかった。
クヴィルンハイムがそう答えるが、シュタウフェンベルクは、
やはり何処か心配そうな表情のままだ。
「……メルツ、何か要因は浮かばないか?」
「浮かびませんね。強いて言うなら……楽しそう、だったでしょうか」
彼の様子を思い出すに、とクヴィルンハイムは言う。
シュタウフェンベルクを起こしに行くという仕事を頼むことに対しては申し訳なさそうにしていたが、
それでもヘフテンは何処か楽しそうな様子だった。
そんなクヴィルンハイムの言葉にシュタウフェンベルクは怪訝そうな顔をする。
「え……?」
楽しそう?
こんなに朝早くに一人で出かけていくことが、彼にとって楽しいこと?
彼は一体何をしに行こうとしたのだろう?疑問だが……
確かに、楽しそうだったというのなら、危険なことをしに行ったわけではないのだろう……――
シュタウフェンベルクがそうして固まっていると、
クヴィルンハイムはそんな彼を安心させようとするように言った。
「だから、別に危険なことをしにいくようには見えませんでしたよ」
多分大丈夫でしょう、とシュタウフェンベルクに言う彼。
それを聞いて、シュタウフェンベルクはほっとしたような顔をした。
「そうか、それなら……良いのだけれど」
何も危険がないというのなら、それで良い。
ただ、やはり少し……引っかかる。
そんな彼の様子を見て、クヴィルンハイムはぽんと彼の肩を叩いた。
「ほら、とりあえず支度をしてくださいなクラウス。
今日は、私が手伝いますから」
着替えも、とクヴィルンハイムは言う。
いつもはヘフテンが手伝っている作業。
シュタウフェンベルクがひとりで何とかしようとすると、
大抵誰かが手伝ったときの数倍時間がかかる。
シュタウフェンベルクは彼の言葉を聞くと小さく頷いた。
「あぁ、ありがとう」
助かる、といいつつ、シュタウフェンベルクは着替え始めた。
クヴィルンハイムはそんな友人を手伝う。
彼の手を借りて着替える間もシュタウフェンベルクが気にしていたのはヘフテンの行方。
そんな彼の様子を見て小さく笑うと、クヴィルンハイムは彼の支度を手伝ってやったのだった。
***
そうして、ヘフテン不在のままシュタウフェンベルクは仕事に取り掛かった。
別に、彼ひとりで出来ないような仕事は今の所ない。
しかし……
「とりあえず軍議は終わったが……」
まだ、ヘフテンは帰ってきていない。
彼は本当に一体どこに行ってしまったのだろう?
別に、仕事においては現在彼が此処に居る理由はないのだけれど……
いつも傍に居てくれる彼の姿がない。
それは、何故かとても不安で……――
何時になったら帰ってくるつもりなのだろう。
そもそも彼は一体何処に行ってしまったのだろうか?
シュタウフェンベルクがそう思った、その時。
「大佐ー!」
不意に聞こえたのは聞きなれた副官の声。
それと同時、ぼすっと背中に誰かが抱き付いてくるのを感じた。
シュタウフェンベルクはそれに驚いて、振り返る。
そこにいたのはほかでもない、ヘフテンで……
彼はきらきらと目を輝かせながらシュタウフェンベルクは何かを差し出した。
「大佐、これ受け取ってください!」
「え?」
これ?シュタウフェンベルクはそういいつつ、ヘフテンが差し出している何かを受け取った。
それは、鮮やかな花弁の花……マリーゴールド、だろうか?
どうして彼が唐突にこんなものを持ってきたのか、シュタウフェンベルクには理解出来ない。
幾度も瞬く彼。
ヘフテンはそれを見つめてにこにこと笑いながら言った。
「イリュジアでは今日、いつも一緒に居てくれる人にお花を贈る日なんですって。
だから……大佐にこれをプレゼントしたかったんです」
そういいながら、シュタウフェンベルクに差し出したマリーゴールドを突く。
そして、すまなそうな顔をしながら彼は言った。
「でも、そのために朝から離れてしまって……すみませんでした」
「ん……否、構わないが……」
少し、驚いて。シュタウフェンベルクはそういって苦笑する。
そんな彼を見て小さく笑うと、ヘフテンは再びシュタウフェンベルクに抱き付いた。
そして、笑顔のままに彼は言う。
「この花……フレンチマリーゴールド……花言葉を、アルさんが教えてくれたんです」
「花言葉?」
シュタウフェンベルクの聞き返しにヘフテンは小さく頷いた。
彼曰く、この国での風習を耳にしたヘフテン。
花を用意することにしたが、なににしようか迷ったらしい。
そこで、アルから教わったらしい。
この鮮やかなオレンジの花……フレンチマリーゴールドの。
「何という、花言葉なんだ?」
シュタウフェンベルクの問いかけに、ヘフテンはにっこりと微笑む。
そして、そのまま彼に抱き付いて、その耳元に囁いて見せたのだった。
―― I always want you to be near me. ――
(いつも貴方の傍に置いてほしい。
僕の一番の願いごとを込めたその花を貴方に贈る
一番大好きで、一番愛しい僕の大佐。
どうかどうか、いつまでも僕を傍においてくださいね)
(朝から姿が見えないと思っていたらこんなことをしていたのか。
少し驚くと同時、やはり嬉しいという思いもあって…)
2014-6-30 18:48