科学者道化師コラボで卒業ネタなお話です。
こういうやり取りをしてほしいと思いまして…
ムッソリーニさん可愛いです←
*attention*
科学者道化師コラボのお話です
本家Laurentia!(学パロ)設定でのお話です
ほのぼのなお話です
卒業ネタなお話です
嬉しそうにしてるムッソリーニさん可愛いな、と…
カルセとの関係を気にしてるのも可愛いと思ったのでああいう台詞をいってほしくて←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKと言う方は追記からどうぞ!
大きなホール。
そこに響くのは、卒業生の名前。
高校生活で最後の点呼。
それに返事をしながら立ち上がる、卒業生たち。
ホールの後ろの方でそれを見つめているのは、淡水色の髪の男性。
彼の藍色の瞳は、一人の少年の名前が呼ばれた時に猫のように細められた。
小さく動いたその口は、確かに"おめでとう"と呟いていた。
意気揚々と立ち上がる、金髪の少年。
彼の青い瞳はきらきらと煌めいていた。
***
卒業式の式典が終わった。
そこからぱたぱたと走り出てきた金髪の少年……
ムッソリーニは、きょろきょろと周囲を見渡した。
彼が探しているのは、此処に来てくれたはずの恋人の姿。
愛しい、愛しい恋人……カルセの姿。
今日、彼は来てくれた。
流石にあまり公に姿を見せるべきではないからこっそりのはずだが……
暫し周囲を見渡していたムッソリーニは、ぱっと顔を輝かせた。
そして、そちらへ駆け寄っていく。
「カルセさん!」
彼は大きな声で彼の名前を呼ぶ。
その声に、淡水色の髪の彼は振り向いた。
ムッソリーニは彼に勢いよく飛び付いていった。
カルセはそれを抱き止めて、微笑む。
優しく頭を撫でてくれる彼の手を感じながらムッソリーニは一度彼から離れた。
そして、笑顔を浮かべながら、彼の方になにかを差し出す。
「カルセさん、みてみて!卒業証書!」
嬉しそうに見せているのは、卒業証書。
高等部を卒業した証だ。
カルセはそれをみて藍色の瞳を細める。
そしてぽんぽんと頭を撫でてやりながら、言う。
「ふふ、卒業おめでとうございます、ムッソリーニ」
「……なんか、リアクション薄いー」
むぅ、と唇を尖らせるムッソリーニ。
カルセはそれをみてくす、と笑った。
そして彼の耳元に囁くように言う。
「此処ではまだまずいでしょう?」
帰ったらもっとちゃんとお祝いしますよ、と彼は言う。
ムッソリーニはその言葉に青い瞳を瞬かせた後、照れ臭そうに笑ったのだった。
***
それから、二人は一緒に家に帰った。
帰る、といってもカルセの家になのだけれど……
大分此処に"帰る"のにも慣れたと思う。
広すぎる部屋にまだ少し緊張もするし、カルセがいないときには少しそわそわするが、
カルセが一緒にいてくれれば、そこにいるのも落ち着く。
部屋に戻って鞄をおいたムッソリーニ。
ふぅっと息を吐き出しながらまじまじと卒業証書を見る。
そんな彼をみてカルセは微笑みながら、いった。
「本当に、おめでとうございます、ムッソリーニ」
卒業おめでとう。
カルセはそういいながらムッソリーニの頬と額にキスを落とす。
さっきは出来なかったお祝い。
一応卒業したとはいえ、公にはできなかった二人の関係だから。
彼の優しいキス。
それを感じながら、ムッソリーニは照れ臭そうに笑う。
「ふふっ、嬉しい……来てくれて、ありがとうカルセさん」
卒業式に、と彼は言う。
フラグメントである彼。
家族と言う家族も、もういない彼の卒業式に、恋人である彼が来てくれた。
それがムッソリーニには嬉しかったのである。
カルセはそんな彼の表情と言葉に穏やかな笑みを浮かべる。
そして今度は彼の唇にキスを落とそうとした。
しかし。
そんな彼の唇に、ムッソリーニはそっと人差し指を当てる。
カルセは彼の行動に驚いたような顔をして、彼を見た。
ムッソリーニは頬を薄く赤く染めながら、いった。
「それで、ね……
俺、卒業したら、カルセさんに言おうと思ってたことがあるんだ」
彼の言葉にカルセは瞬きをする。
そして小さく首をかしげながら、彼はいった。
「?何ですか?」
言いたいこととは、とカルセは彼に問いかける。
ムッソリーニはその問いかけに一度目を伏せる。
そして二度、三度、と深呼吸をすると、まっすぐにカルセを見つめた。
顔は、真っ赤に染まっている。
そして、すっと息を吸い込むと、彼はカルセを見つめたまま、いった。
「だっ、大好きだよ、カルセさん!」
大きな声で伝えられた言葉。
カルセはそれを聞いて、藍色の瞳を大きく見開く。
驚いて固まっている彼をみて、ムッソリーニは笑顔を浮かべた。
「……やっと、ちゃんと言えた」
ほっとしたような、嬉しそうな声。
そして、彼は軽く頬を引っ掻きながら、照れ臭そうにいった。
「いって良いのかな、って……
やっぱりちょっと、迷ってたんだ」
高校生である自分。
高校の教諭であるカルセ。
そんな彼と自分の関係は正しいものではなくて……
好きだと言う気持ちは確かにあった。
愛しいと言う思いは確かにあった。
でも、それを伝えることが正解とは思えなくて……
卒業して、高校生じゃなくなって、やっと言えた。
ムッソリーニはそういいながら嬉しそうな顔をする。
ムッソリーニは暫しその言葉に固まっていた。
全く反応がない彼にムッソリーニが少し不安になると同時……――
カルセはぎゅっと、彼を抱き締めた。
彼の行動にムッソリーニは大きく目を見開く。
自分をきっちりと抱き締める愛しい彼。
その腕にムッソリーニは幾度も青い瞳を瞬かせた。
「っ、カルセさ……」
ちょっと苦しい、と声をあげる彼。
カルセはほっと小さく息を吐き出しながら、いった。
「嬉しすぎて、どうかなりそうですよ……」
貴方は本当に可愛い人だ。
カルセはそういいながら、一度ムッソリーニの体を離す。
そして今度こそ、彼の唇を塞いだ。
長くて甘いキス。
それを感じながら、ムッソリーニは目を閉じる。
そして、カルセの背中にそっと腕を回す。
―― あぁ、愛しい。
カルセはそう思いながら更に深く彼に口付けた。
大切な、大切な彼……
愛しい彼を独り占めしようとするかのように……――
―― 終わりと始まり ――
(生徒と教師と言う関係の終わり
恋人同士としての改めての始まり)
(やっと伝えることができた心からの想い
大好きです、本当に心から愛しています)