カナリスさんとシオンのお話です。
もふもふ、わんわん好きなカナリスさんとシオンの絡みを書きたくて←
*attention*
カナリスさんとシオンのお話です
もふもふ好きなカナリスさんを書きたくて←
シオンはそんな人に懐きます
そして完全な狐になります(笑)
カナリスさんのわんちゃんたちと遊ぶシオン
微笑ましいわんわんお三匹ならいいなと
それに癒されるカナリスさんであってほしい←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
ひんやりと冷えた空気が鼻先に触れる。
くしゅん、とくしゃみをして、ぶるっと体を震わせた薄桃色の髪の少年……シオンは魔力の拘束を解いて、息を吐き出した。
ぽふりと現れる、触り心地の良さそうな耳と尻尾。
それを撫でつけながら、シオンは呟いた。
「やっぱりこれ隠してるのは辛いなぁ……
きゃぱしてぃおーばー、って奴です」
ちょっと使い方が違うか。
そう思いながらシオンは少し絡まってしまった尻尾の毛を撫でつける。
自慢の、真っ白い尻尾。
母もこれを隠して生きなければならないと言っていたけれど、何だか少し勿体ないなぁ、と思う。
結構、この姿はお気に入りなのだ。
……正直。
この城では、別にそれを隠している意味もないような気がする。
事実、この城で一緒に仕事をするようになった夜鷲の騎士たちのほとんどは彼の秘密を知っているし、寧ろそれがいいといって可愛がってくれた人もいる。
だから、もうそろそろそれを明かしてもいいかな、と思い始めているくらいだ。
……もっとも。
絶対大丈夫だとわかるまで、そうするつもりはないけれど。
と、その時。
「おや、貴方は確か……」
聞こえた声。
それを聞いてシオンは顔を上げる。
そこには、短い黒髪に金色の瞳の男性が立っていた。
「あ、えと……カナリス、てーとくさん、ですかね?」
頭の中に入っている名前を引っ張り出して、呼ぶ。
それを聞いて、彼……カナリスは金色の瞳を細めて、頷いた。
「えぇ。お久し振りです、シオンさん。
……耳と尻尾、仕舞う必要ないですよ」
カナリスがそういってやると、シオンは反射的に耳と尻尾を隠そうとしているのに気づいて、その手をおろした。
そしてふわりと笑って、言う。
「ありがとうございます。
このままの格好でいる方が、ぼくとしては楽なんですよぉ」
そういってにこにこと笑うシオン。
カナリスはそんな彼の様子に目を細めて、優しく彼の頭を撫でながら、言った。
「そうですか。
まあ、本来あるものを隠しておくのは楽なことじゃあないですよね」
そういいながら彼は優しくシオンの耳を撫でつけてやる。
ふわふわとした彼の毛並を撫でながらカナリスも何処か嬉しそうな表情だった。
彼は動物が好きだ。
特に、犬が。
自分でも二匹飼っていて、城にも連れてくるくらいには。
そして何より……
シオンは、かなり小柄なのだ。
年齢(妖狐としての年齢は不明だけれど)が年齢だから仕方ないのか、或いは彼の体質なのか、かなり小柄だ。
身長を気にしているカナリスとしては、そんな相手と一緒というのはちょっと気が休まるのだった。
「……完全に狐になることも出来るんですよね」
カナリスは不意にそう呟く。
それを聞いてシオンはきょとんとした顔をした。
それから人懐っこく笑って、言う。
「出来ますよ。
本来のぼくの姿はあっちなんです。
だから、あの恰好の方が正直いって、楽なんですけどね」
今もなれますよ。
そう言うと同時に、シオンはぽんっと音を立てて姿を消した。
姿を消した、というよりは……
見えないような高さまで縮んだ、というのが正解か。
カナリスが視線を下に下すと、真っ白い毛並みの狐がカナリスを見上げていた。
小さな、白い狐。
ふわふわとした尻尾を揺らしている彼を見て、カナリスは目を細める。
そして少しおずおずといった具合で、小さな彼……シオンをカナリスは抱き上げた。
「わ……」
「すみません、驚きました?」
そう問いかけるカナリス。
シオンはふるふると首をふった。
そして嬉しそうな表情で、言う。
「いえ、こうして抱っこされたこと、あんまりないから……
でも、カナリス提督はすごく僕を抱き上げるの、上手です」
慣れてるんですか。
そう問いかけるシオン。
彼の言葉にカナリスは小さく頷いた。
「僕は二匹、犬を飼っていましてね。
今のシオンさんと同じくらいの大きさなので……」
抱くのには慣れているんですよ、といいながら、カナリスはシオンの背を撫でてやった。
その手つきに、心地よさそうに目を細めるシオン。
やはり撫でつけるのも慣れているらしい。
そう思いながらシオンはしっぽをふわふわと揺らしていた。
「……そうだ。
折角ですから、ゼッペルとザビーネと一緒に遊んでくれませんか?」
そう言うカナリス。
それを聞いて、シオンはきょとんとした表情を浮かべる。
「ゼッペル?ザビーネ?」
「さっきも話した、僕の犬たちですよ」
良い子たちですから。
そういってカナリスは微笑む。
それを聞いてシオンは幾度も瞬きをしながら、"それなら仲良くなれますかね"といって尻尾をふわふわと揺らしたのだった。
***
カナリスは狐の姿になったシオンを抱いて部屋に戻った。
そして、柔らかいベッドの上にシオンを下してやる。
それと同時に、小さな影が、ぽぉんと飛びついてきた。
「きゃー!?」
思わず悲鳴を上げるシオン。
そんな彼に飛びついてきたのは、二匹の犬で。
「うわ、わぁ、何ですかぁ?!」
「ゼッペル、ザビーネ、駄目ですよ乱暴しちゃあ」
カナリスがそういうと、二匹のダックスフントはおとなしくなった。
やや興味津々の表情でシオンの方を見てはいるけれど。
「お、襲って、きませんよね……
この子たち、確か、猟犬何ですけど……」
そう言うシオンはやや怯えた様子だ。
人懐っこい二匹が少々怖がらせてしまったか。
そう思いながら、カナリスは少ししっぽを膨らませているシオンを撫でつけてやる。
「大丈夫ですよ。
怖がる必要は、ありませんからね」
良い子なんですよ、とシオンに言うカナリス。
シオンは少々警戒しつつ、人なつっこい二匹の方を見た。
「えっと……初めまして、こんにちは」
シオンっていいます。
シオンがそういうと、ゼッペルとザビーネは一声吠えた。
宜しく、というように。
そんな三匹の様子は、何だかとても微笑ましい。
声を上げて、じゃれあって。
楽しそうにはしゃいでいる三匹。
「良いですねぇ……」
あったかそうで。
カナリスはそう呟く。
最近大分、気温も下がってきた。
そんな状態だからこそこうしてもこもこした獣たちのじゃれあいを見ているのは、何だか癒される。
そんなことを考えながら机に向かっていると……
暫くして、三匹の声が聞こえなくなった。
わさわさとはしゃいでいる音も、聞こえなくなる。
「……?おや」
ふり向いたカナリスは目を細めた。
そんな彼の視線の先では、三匹が仲良くベッドの上に丸くなって眠っていた。
……どうやら、遊び疲れてしまったらしい。
「随分と仲良くなったみたいですね」
それは何より。
そう思いながらカナリスはベッドの方へ歩み寄る。
ふわふわとした毛を撫でつける。
掌に、生き物のぬくもりが確かに伝わってきた。
カナリスはそれを感じて目を細める。
それから、"とりあえずこの子たちが目を覚ますまでは仕事してましょうかね"と小さく呟いたのだった。
―― ふわふわの温もり ――
(掌に伝わってくる、温かさ。
それはとても心地よくて…)
(何よりも、この光景。
それを見ていることが楽しくて、幸せで)