ジルさんとレキのお話です。
こういうほのぼのした空気好きなのです…
ネタ切れにつき短いのはご容赦を←
*attention*
ジルさんとレキのお話です
ほのぼのなお話です
二人ともショタ化&角っ子化してます
ほのぼのしたひと時
角に触りあったりとか可愛いかなって
レキはたまに情緒不安定
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
柔らかなベッドの上。
うとうとと微睡んでいたジルは目を覚ます。
穏やかな陽射し。
それを感じながら、あぁ、レキと一緒にお昼寝をしたんだっけ、と思った。
「ふあ……」
欠伸をするジル。
こんな心地よい時間空間は初めてだ。
そう思いながら、ジルはくっと伸びをする。
掌をちらと見る。
相変わらずに小さな掌。
まだ自分は元に戻っていないのか。
そう思いながら小さく息を吐き出す。
「ん……」
隣で聞こえた声。
どうやらレキも目を覚ましたらしい。
布団の中に潜っているレキがもぞりと動いて……
「んぐ……っ、出れない……っ」
レキがそう呟く。
彼はどうやら角が布団に引っかかってしまったようで、外に出れなくなっているのである。
もごもごと布団の中に埋もれている彼。
その様子が可愛らしくて、ジルはくすりと笑う。
「っ、ジル、起きてるんだろっ、助けてよ……っ」
「あっ、すみませんすみません」
そういってジルは慌ててレキの角に引っかかっている布団を外してやった。
ぷは、と声を上げるレキ。
そして恨めしげな顔をしながらジルを見る。
「何笑ってるんだよぅ……」
もう、といいながら頬を膨らませるレキ。
ジルはその言葉に目を細めつつ、言った。
「だって、レキが可愛らしかったから。
この角、引っかかっちゃうんですね」
そういいながらジルはそっとレキの頭に生えた角に触れる。
ひんやりと冷たい角。
自分のそれとはまったく違う角。
それに優しく触れながら、ジルは目をほそめた。
人が恐れるという竜の力。
それも、ジルにとっては美しい力だと映る。
この角も、背に伸びるつるりとした翼も、強い強い力も。
炎は苦手だけれど、彼の力に恐怖は感じない。
「痛っ」
小さく声を上げた。
レキは驚いてそんな彼を見る。
ジルは驚いた表情で自分の手を見ていた。
そんな彼の指先に真っ赤な血が浮かんでいる。
「うわ、切れたのか」
俺の角に触って、とレキは言う。
そしてそっと彼の手を取る。
「大したことありませんよ、大丈夫……」
大丈夫です。
そういうと同時に、レキがぱくっとジルの指を咥えた。
驚いて目を見開くジルを他所にレキは軽く彼の指を吸った。
「い、……痛い、ですって……っ」
小さく声を上げるジル。
レキは軽く彼の指を舐めてから口を離して、言った。
「ん、これで良し」
「よ、よくないですよ……もうっ」
ばかばか、とジルは軽くレキの胸を叩く。
レキはそんな彼の反応に小さく笑って、言った。
「だって俺の角で怪我したんだからさ」
そういってレキは笑う。
ジルは彼の言葉に唇を尖らせつつ、言う。
「だからって舐めることないじゃないですか……ひゃ?!」
ジルは不意に素っ頓狂な声を上げる。
というのも、レキが不意に彼の角に触れたからで。
レキは楽しそうに笑いながら、言った。
「ふふ、俺はジルの角が好きだよ。
触り心地良いし……少しあったかいんだな」
そういいながらレキはジルの角を撫でる。
優しいその手つきにジルはもう……と呟きながらおとなしくしていた。
レキは優しく彼の頭を、角を撫でている。
変わった彼の容姿。
それを愛でるように。
―― 愛しい。
これは、彼が異形である証ではあるが、レキにとっては愛しいもの。
ジルが自分のことを思うのと、同じように。
「ん……くすぐったいです、レキ……」
やめてください、とジルは体を揺らしつつ、言う。
レキはそんな彼の頭を撫でながら、言った。
「そういうお前の反応が好きなんだよ。
翼も……あったかいなぁ」
こういう翼、羨ましいよ。
そういって笑うレキ。
ジルは目を細めてそっとレキの翼に触れた。
「ん……私もレキの翼、好きですよ?
レキのものだから、何でも好きです」
そういって笑うジル。
レキはその言葉に一瞬目を見開いた。
それから、ふうっと息を吐き出した。
「あのな……こういう場所でしれっとそういうこと言うなよ……」
照れるだろ。
そういって笑うレキ。
ジルはその言葉を聞いて、小さく笑う。
「ふふ、事実だから言っただけですよ」
「それが本当だから問題だよ、まったく」
レキはそういって微笑む。
そして愛しそうにジルの角にキスを落とした。
それから、ぎゅっとジルの体を抱きしめる。
「え……?」
唐突な彼の行動にジルは驚いた顔をする。
レキは何故かジルを抱きしめたまま離そうとしない。
そんな彼の思わぬ行動にジルは瞬きを繰り返した。
「……どうしたんですかレキ?」
不思議そうにジルはそう問いかける。
レキはそれを聞いてふぅ、と息を吐き出した。
「いや……こんな魔力持ってるってわかっても、ジルがこうして一緒に居てくれるのが嬉しくてさ……
幸せだな、って思ってさぁ」
普通なら、はなれられてもおかしくないと思った。
竜の魔力を持っている。
それを自分で理解した時には相当怯えた。
誰からも好かれない。
誰にも愛されることはないんじゃないか、と。
しかしジルはそんな自分を受け入れてくれて、変わらず好きだと言ってくれて。
それが堪らなく幸せだ、と思った。
「……何でいきなりこんなこと思ったんだろ、変なの」
そういって、レキはへらりと笑う。
しかしその声には微かに涙が滲んでいるようだった。
ジルはその言葉に目を細める。
そして優しくレキを抱きしめながら、言った。
「それは、私の台詞ですよ、レキ……
悪魔と契約し、こんな姿になった私を愛してくれる。
愛しいと言って私を抱きしめてくれる……
そんな貴方の優しさが、私は大好きなのですよ」
ジルはそういって、レキに縋る。
"私を離さないでくださいね?"といって甘く微笑むジル。
レキはそんな彼を優しく抱きしめながら、言った。
「うん、言われなくても離すつもりはないからさ」
そういって穏やかに笑うレキ。
ジルはその言葉に嬉しそうに微笑みながら、そっと頭を彼の胸に擦りつける。
それを受け止めながら、レキは穏やかに微笑んだのだった。
―― 変わらない愛情 ――
(お前が何であっても変わらない。
俺にとって愛しい人であるということは変わらない)
(私にとっても変わらない事実。
貴方は愛しい、優しい人なんですよ)
2016-1-10 00:08