…………



ここは“ベルグとさなの部屋”……
右側に木の本棚の並んだダブルベッド…
その足下(あしもと)に置かれた3つ並んだ木のブロック……

カンテラの明かりに照らされ そこに腰かける3人?の姿がありました…

褐色の肌をした少女 ベルグ…

茶色い毛並みのネコ ベルにゃん……

白い肌の幼女 さな………


ベッドを背に右から順番に並んで座っています……


ベルグの手には“空飛ぶ牛車”と記された1冊の本が見えました……

これから 眠りに就く前のひとときの時間です………

…………………



「今夜は このまえの続き…なんだよね……ベルグ…」


白い肌をした さな が質問します…



「……もちろんだ

さな…


………

滅びの村に行く途中にある大きな木のある広場…
そこに降りた牛車から
外に出てきた女性と出会う場面(シーン)…からだったな………」



褐色の肌に レッドアンダーリムのメガネを掛けた
ベルグが答えます…



「…そうにゃ
さっそく 始めるにゃ……」



茶色い毛並みに緑の瞳をしたネコ ベルにゃんが急(せ)かします…



「……では“空飛ぶ牛車”の続きを……

始めよう………」



ベルグの手にした本
その 栞(しおり)を挟(はさ)んだページが開かれます……



ベルグ:「……客車から杖を頼(たよ)りに広場に降り立った女性は“キミ”に気付き 声をかけた……」


ベルグ:「……あらっ?

そこに誰か いるの?」


ベルグ:「…“キミ”は………」



さな:「…あっ えっと……
ごめんなさい……」



ベルグ:「彼女は“キミ”の声に少し驚いたようだ……
そして“キミ”の方へ閉じたままの両目を向ける……」



ベルグ:「どうして……
謝るのかしら?」



さな:「その……のぞき見してたみたいで……

失礼かなって……」



ベルグ:「……“キミ”の答えに彼女は興味を持ったようだ………」



ベルグ:「そぅ………

こちらこそ
驚かせたみたいで………
ごめんなさいね…

………………………


そうそう 紹介が遅れたわね……

わたしは“美夜子(みやこ)”………
旅行者よ……

あなたは?」



さな:「わた…ボクは
“ベサルナ”……公国に住んでる……」



ベルグ:美夜子「……そう
ベサルナというのね……

一緒にお茶は…どうかしら?
あなたと お話したいわ…」



ベルグ:「……“彼女(美夜子)”は“キミ(ベサルナ)”を お茶に誘う……
参加するかな……?」



「もちろん 参加するよ!」


迷わず さな は即答します…



ベルグ:美夜子「…まぁ 嬉しい
…すぐに準備するわ……

ベルニャーン…
お茶の準備を………」



ベルグ:「……美夜子(みやこ)が声をかけると牛車の陰から
スッと人が 現(あらわ)れる…執事服に片メガネを身に着け 実に執事全としている…
しかし 服からは茶色い毛並みが覗(のぞ)き 顔は
ネコ そのものだった……」


ベルにゃん:ベルニャーン「…お嬢様
準備に取り掛かりますにゃ……
しばらく お待ちをにゃ……」



「えっ?
ベルにゃん…それって ひと?なの……」



さな が驚きの声をあげます……



「…獣人ですにゃ……
獣(ケモノ)要素が多いほうで背丈は人(ひと)くらいありますにゃ……」



「…じゅう…じん?」



さな にとって聞きなれない言葉に ベルにゃんが答えますが 今一つ分からないみたいです…



「……シノビーヌ みたいなものだな……」



「あぁ!
3国国境付近にいる……!!」



ベルグの例(たと)えに さな は納得したみたいです…

シノビーヌ とは 二足歩行をし ニンジュツを使う
服を着たイヌの魔物です……



ベルにゃん:ベルニャーン「…準備が できましたにゃ…

お嬢様がた こちらへ
お座りくださいませにゃ……」



ベルグ:「……客車の側(そば) 草原の上に敷物(シート)が敷かれ 真ん中に 脚の低い丸テーブルが置かれている…

その上に三段になったアフタヌーンティーセットがあり
下から サンドイッチ ショートケーキ 色とりどりなマカロン…等(など)が
放つ甘い香りが“キミ(ベサルナ)”を誘う……」



ベルグ:美夜子「…さぁ
お茶をしながら 話しましょう……」



ベルグ:「……美夜子(みやこ)は “キミ(ベサルナ)”と共に 丸テーブルに着く…
ベルニャーンが2人に
香りたつ紅茶を煎(い)れてくれる……」



ベルにゃん:ベルニャーン「…どうぞ お召し上がりくださいにゃ……」



ベルグ:美夜子「……ありがとう ベルニャーン……」



さな:ベサルナ「あっ……
いただきます……」



「わたしは サンドイッチを食べるよ……

ベルグ…美夜子は何を食べるの?」



「……そうだな……」



ベルグ:「……“キミ(ベサルナ)”がサンドイッチを食べる様子を“彼女(美夜子・みやこ)”は紅茶を時おり飲みながら 閉じた目で語りはじめた……」



ベルグ:美夜子「…ワタシは執事兼御者の獣人ベルニャーンと あの“空飛ぶ牛車 黒の9号”で旅をしているの……
この国にはトラブルで
急きょ降りることになったのよ………」



さな:ベサルナ「……やっぱり 空を飛んでいたんだ!
すごいや!!」



ベルグ:美夜子「……そぅ


やはり……あなたには 見えていたのね……」



さな:ベサルナ「頭に コレが当たって 見上げたら
アレが見えたんだ!……
それで あわてて追いかけたら ここに……」



「そう言って 頭に落ちてきた 小さなモノを見せるよ…」



ベルグ:美夜子「……ごめんなさい
わたしは この国に来たばかりで まだ物が見えないの……

もうしばらくしたら
見えるようになると思うわ……

ベルニャーン……
ちょっと見てくれる?」



ベルグ:「……美夜子(みやこ)は そう言うと
執事兼御者のベルニャーンを呼んだ……」



ベルにゃん:ベルニャーン「……こ これは………
にゃ!?」



「…そう言って 驚くにゃ……」



ベルグ:「……執事兼御者のベルニャーンが驚くのも
無理はない……

ソレは“空飛ぶ牛車 黒の9号”の部品だったのだ…
この部品が外(はず)れた為に この場所に降りざる得ない状況になったからだ……」



ベルにゃん:ベルニャーン「…ぜひとも それを返して欲しいにゃ……」



さな:ベサルナ「……ボクが持ってても しかたないし…食事もいただいた
コレは返すよ……」



「そう言って 部品をベルニャーンに渡すよ」



ベルにゃん:ベルニャーン「…ありがとにゃ
さっそく 修理に取りかかるにゃ……」



「…そう言って牛車の方へ向かうにゃ……」



ベルグ:美夜子「……ベルニャーン お願いするわね…」


ベルグ:「……さて
ベルニャーンが“黒の9号”の修理に向かうと
再(ふたた)び 美夜子(みやこ)と“キミ(ベサルナ)”の2人きりになった……

どうする?………」



「美夜子の 話しが聞きたい…この国に来るまえの国の……」



「…そうにゃ どんなトラブルがあったにゃ?」



ベルグ:美夜子「……この国に来るまえの国……

そこは 夜の国……
明けることのない漆黒(くらい)夜の続く国……

この国には明かりが無かったわ……

人々は暗闇でも見える眼を持っていたから 明かりは必要無かったの……

でも わたし達がこの国で出会った ある錬金術師は違ったわ……

夜を終わらせる明るい太陽を欲していたの……

明るい世界……そう色彩(いろ)を見たかったの……」



さな:ベサルナ「……なぜ色を?」



ベルグ:美夜子「……暗闇でも物が見える……

そのため
この国の人々には
世界は白黒(モノクロ)に見えていたの……

彼は恋人と共に色彩溢(あふ)れる世界を見たかったようなの……


他の国との交流が禁じられていたから……

彼は自力で成し遂げようとしたわ……


その結果………」



ベルグ:「……美夜子(みやこ)が 話していると

“キミ(ベサルナ)”は
彼女の背後に 迫(せま)る
魔物に気づいた……」



「彼女 美夜子は気づいてないの?」



さな が心配そうにベルグに聞きます……



ベルグ:「……話しに集中していて美夜子(みやこ)は背後(はいご)に近づく魔物に気づいていない……」



「…べ ベルにゃん……」



「…黒の9号の修理中にゃ……」



さな:ベサルナ「あぶない!!…」



「そう言って 美夜子を横に突き飛ばすよ…」



ベルグ:「……間一髪(かんいっぱつ)!
“キミ(ベサルナ)”達は
魔物の体当たりを避(さ)けることができた……

青くプヨプヨとした体に
後ろに長く伸びた耳つきフードを被(かぶ)った ソレは“キミ(ベサルナ)”達のほうへ…チョコマカと体の向きを変えた
それにあわせて垂れ下がった4本の腕もフワフワ揺れている………」



ベルグ:美夜子「…きゃ

な なにっ?……」



さな:ベサルナ「ゲルミ!!

魔物が襲(おそ)ってきたんだ!!

また来る!!」



ベルグ:「……美夜子(みやこ)は 黙(だま)って考えているようだ……」



さな:ベサルナ「なにか 武器は?

魔物(ゲルミ)からは逃げられない!!」



ベルグ:美夜子「……これを使って!
今の わたしでは 使えない……」



ベルグ:「……そう言って
美夜子(みやこ)は 腰から不恰好(ぶかっこう)な剣を抜いて“キミ(ベサルナ)”に渡すよ……」



さな:ベサルナ「!?
……コレは?」



ベルグ:美夜子「……ソレは剣銃(ソードバレット)……斬ることも撃つことも
出来るわ……」



「よく わからないけど 剣銃(ソードバレット)を振り回して ゲルミと 戦うよ…」



ベルグ:「……“キミ(ベサルナ)”は剣銃(ソードバレット)を振り回すが 魔物(ゲルミ)には効いていないようだ…
プヨプヨした魔物(ゲルミ)の体を剣で斬れないない…
魔物(ゲルミ)はチョコチョコと下がり“キミ(ベサルナ)”との間合いをとる…
再び “キミ(ベサルナ)”に体当たりを仕掛けるつもりだ……」



「…さにゃ 斬ってダメなら突いてみるにゃ……」



ベルにゃんが助け船を出します……



「わかった ゲルミの体当たりに合わせて 剣銃(ソードバレット)を突きだすよ…」


ベルグ:「……キミ(ベサルナ)が 剣銃(ソードバレット)を突きだすのと魔物(ゲルミ)が体当たりする瞬間が重なった……
魔物(ゲルミ)の体に剣が深々と刺さってその場に縫い止められる……

魔物(ゲルミ)は手足をバタバタさせるが
剣は抜けない……」



ベルグ:美夜子「……!

魔物は!

どうなったの?」



ベルグ:「……美夜子(みやこ)には状況が見えない 音で判断するしかない……」


さな:ベサルナ「……魔物(ゲルミ)は……
剣を突き刺して 動きは…
…止めた……
でも………トドメは刺せていない……

どう すれば……」



ベルグ:美夜子「……

ベサルナ!

引き金を引いて!

人差し指にあたった引き金(トリガー)を強く手前に引くの

そうすれば弾丸(バレット)が射ち出されるわ…」



さな:ベサルナ「!?

…よく …わからないけど……

こう?」


さな「言われたとおり
やってみるよ……」



……………



さな:ベサルナ「……や

………やった……」



ベルグ:美夜子「……倒したの?」



ベルにゃん:ベルニャーン「美夜子(みやこ)お嬢様……

今のにゃ?」



ベルにゃん「…銃声に驚(おどろ)いて美夜子の側(そば)に駆(か)けつけるにゃ……」



ベルグ「………“キミ(ベサルナ)”が人差し指で引き金を引くと 剣の上の丸く細い筒先からナニかが飛び出し魔物の体に大きな穴が空いた……

……キミ(ベサルナ)は魔物(ゲルミ)を
剣銃(ソードバレット)で
見事(みごと) 刺し貫(つら)き射ち倒した……
青く柔らかかった魔物の体は黒く固く変質し 崩(くず)れ 細かな砂粒となって霧が散るように跡形も無く消えてゆく……」



ベルにゃん:ベルニャーン「…キミが お嬢様の剣銃(ソードバレット)で魔物をにゃ?」



さな:ベサルナ「…あ

うん……

美夜子の言(ゆ)うとおりに……」



ベルにゃん:ベルニャーン「扱(あつか)いの難(むずか)しい剣銃で……

おみごとですにゃ…」



ベルグ:美夜子「……この子には才能(さいのう)が あるのかも……銃(じゅう)を扱(あつか)える才能が……」



さな:ベサルナ「……えへへ
そうなのかな〜」


さな「と少し 照れながら
言うよ…」



ベルにゃん「…さにゃは
かわいいですにゃ……」



ベルグ「……………」



ベルグ:美夜子「………そうだわ!

あなた!

私達と一緒(いっしょ)に
来ない?」



ベルにゃん:ベルニャーン「お嬢様!
それは いけませんにゃ!!」


ベルにゃん「…と 美夜子(みやこ)を止(と)めるにゃ」


ベルグ「……美夜子がキミ(ベサルナ)を誘(さそ)い
ベルニャーンが それをやめさせようとしている……

………キミは どうする?」


さな「えぇ〜!!

どうしよぅ……」



ベルにゃん「…さにゃが好きな方(ほう)に決めるにゃ……」



さな「決められないよ〜

二人とも好きだよぉ〜」



ベルグ「……さな
これは お話だ……
お話の中の登場人物(キャラクター)として答えて欲しい……」



ベルにゃん「…さにゃとしてではなく“ベサルニャ”として答えるにゃ……」



さな「あっ!
そっか お話だった……

ベルにゃんの言いかたが悪いよぉ!!」



ベルにゃん「…これは ワタシが悪かったですにゃ……
それにしても
さにゃは優(やさ)しいですにゃ……
造(つく)られた ワタシを好きと言ってくれますにゃ……」



さな「ベルにゃんは わたしにとっても ベルグにとっても大切(たいせつ)だよ!」



ベルグ「……ワ…ワタシも ベ…べルにゃん…の事は……
き…気に入っている……」


ベルにゃん「…もう一人のワタシ(ベルグ)も ありがとにゃ……」



三人?は しばらく黙りこみました

本棚の影に置かれたランプ……
嵌(は)め込まれた夜光石が
昼に取り込んだ光を夜の闇に ゆっくりと放出(はな)ち
木材のブロックに座る三人をぼんやりと照(て)らしています

南国の夜風が優しく吹き抜けてゆきました……



…………………



さな「……それじゃあ 気を取りなおして お話の続きを…」



ベルグ「……あぁ
そうだな…

……座り込んでいる美夜子の前にベサルナが座り…
二人の間から少し離れて
ベルニャーンが立っている……
この配置でいいかな?」



ベルにゃん「…それで いいにゃ……

さにゃ も いいかにゃ?……」



さな「うん!
わかった!
じゃあ 始めるよ!!」



さな:ベサルナ「…ぼ 僕も つれて行ってくれ……

いっしょに冒険がしたい!」



ベルにゃん:ベルニャーン「…楽しい事だけではないですにゃ……
場合によっては 命を危険に さらす事も……ありますにゃ」



ベルグ:美夜子「……そうね 危険な旅になるかもしれないわ……

あなたの家族の方(かた)も心配するでしょうし……」


さな:ベサルナ「……家族は
……いない


僕は 公国(シュリンガー)から早く出たいんだ!」



ベルにゃん:ベルニャーン「……二度と公国には戻れないかもしれないにゃ

それでも 行くのかにゃ?」


さな:ベサルナ「……あんな寒くて ひもじくて……雪しかない………

公国(あそこ)には 嫌(いや)な思い出しかない!!」



ベルグ:美夜子「……そう
悲しい思い出しかないのね…」



ベルグ「……美夜子(みやこ)は 閉じたままの瞳(ひとみ)を伏(ふ)せ しばらく考え込んだ………」



さな「ベサルナは 美夜子(みやこ)の顔を じっと見て
だまって 待つよ…」


ベルにゃん「…ベルニャーンは 美夜子の側(そば)に 静かに佇(たたず)み
答えを待ちますにゃ……」


ベルグ:美夜子「……ご覧(らん)の通り 私は目が見えないわ
その事で ベサルナ(あなた)に迷惑を かけるかもしれない……

それでも 私たちの旅に同伴(どうはん)してくれるかしら?」



ベルグ「……美夜子は キミ(ベサルナ)の方(ほう)を向いて語りかけた…」



さな「美夜子(みやこ)は 目が見えないのに どうして
ベサルナのことが わかるの?」



ベルにゃん「…声のする方(ほう)に顔を向けて いるにゃ……」



さな「へぇ〜……
そうなんだ」



ベルグ「……視力を失って
まもない美夜子は まだ 聴力だけの生活に慣れていない………

それでも キミ(ベサルナ)は 彼女と共に危険を伴(ともな)う冒険に出るかね?……」



ベルにゃん「…どうするにゃ?

さにゃ……
ベサルニャは断(こと)わっても
いいのにゃ……」



さな「…え え〜と……」



さな:ベサルナ「……
行くよ!
いっしょに連れていってくれ!

美夜子(みやこ)とは 会ったばかりだけど………
ほっとけないよ!

それに もう いやなんだ! 公国(シュリンガー)で暮(く)らすのは!」



ベルグ:美夜子「ベサルナ!
私たちと
来てくれるのね!

嬉(うれ)しい!!」



ベルグ「……美夜子は キミ(ベサルナ)を抱きしめようとするが キミが見えていない……
その両手は 届かず むなしく空(くう)をきってしまう……」



ベルグ:美夜子「……あれ?

ベサルナ?……

どこ?」



さな「えっ?

どうして?

美夜子(みやこ)は ベサルナのことが わからないの?」



ベルにゃん「…美夜子は 声する方向は わかっても そこまでの距離が わからにゃいのですにゃ……」



さな「!!


駆(か)けよって 美夜子を
抱きしめるよ!」



ベルグ:美夜子「……あぁ

ベサルナ……

そこに 居(い)たのね……
ありがとう……」



ベルグ「……美夜子も キミ(ベサルナ)を しっかりと
抱きしめた……」



ベルグ:美夜子「……ベルニャーン
この子(ベサルナ)を連れて行っても いいかしら?」



ベルグ「……美夜子はベルニャーンに同意を求めている キミ(ベルニャーン)は
どうする?………」



ベルにゃん:ベルニャーン「……

美夜子お嬢様が そこまで
おっしゃれるのにゃら……

このベルニャーン

微力(びりょく)ながら
お手伝いさせていただきますにゃ……」



さな「やった〜〜!!」



ベルグ「………こうして
空飛ぶ牛車“黒の9号”に新(あらた)たな仲間(なかま)が加(くわ)わる事になった……
三人の旅は ここから始まる…………
よき旅であらんことを……」



「……さて 今夜は ここまでにしよう……」



「ここまでかぁ〜

今夜も すごく おもしろかったよ」



「……それは 良かった…」


「…なかなか 面白かったにゃ…

次の 話しも楽しみにゃ…」


「……二人とも 休もう…

よい夢を……」



「…よい眠りをにゃ……」



「うん ふたりとも

おやすみ〜〜」



ベルグは 栞(しおり)をページに挟(はさ)み“空飛ぶ牛車”を閉じました



今夜の 寝る前の ひとときは ここまでです……


それでは 皆さま よい夜を……




………眠りに就く前の ひとときに…その2ーおわりー