「 :“彼” 元気かなぁ…」


ボンドチャットに書き込みが表示される
彼(か)の少年からだ……


「 :…あぁ 元気そうだった 今しがた 話してた……」

ワタシもボンチャに書き込む……


「 :マジで!!」


少年の驚きが伝わってくる…


「 :今 どこにいる?」


「 :現在 眠気とたたかい中…」


「 :違う! 今いる場所だ!!」

「 :公国5000chで睡魔と戦闘中……
落ちたらゴメン…」


「 :待ってろ 直ぐ行くからよぉ……
負けるんじゃねぇぞ…」


「 :団長……」



ワタシは牛車を飛ばし 公国へ急いだ…
伝えなければ“彼”の言葉を……



早(はや)牛車を飛ばし
公国の門を蹴飛ばしそうな勢いでくぐる


入ってワタシの右側に
何かいた……


「(゜Д゜≡゜Д゜)? 何処だ少年!?」



「あっ来た……
ここや ここ あんさんの右側や!」


王冠を頭上に頂(いただ)き緋色のマントを纏(まと)った……
………俵?が
そこに居た……



「あぁ……ポニテ黒ぶちメガネの美少年は何処に……」


「そげん 嘆(なげ)かんでも……あれはワイの仮の姿や」



「なにっ? それは ほんとうなのかい?」


「嘘やで 中身は少年や!
たまに幼女にも なるけどな…」


「変化の術を使うとは……
貴様 魔物?いや魔王か!!」

「そやで〜 頭上の“見栄の王冠”が その証(あかし)や!
まっ 嘘やけどな……」



「プッ ハハハ アハハハ……」

「…久しぶりだな 少年!」

「せやな… それにしてもあんさんノリノリやな(笑)」

「…少年 あんたとは実に気が合う……」


「せやな…で さっきの事は本当なんでっか
“彼”と会ったって…」


「…あぁ本当だ 話もしてきた……」


「“彼”は元気そうでした?」


「…あぁ 今までと変わらない いつも通りの“彼”だった」


「ボンド内で何か悩んでたんじゃないかって…
心配してました…」


「“彼”は新たにボンドを作って新人冒険者を育てるそうだ……」


「そうだったんやね…」


「それから 君をサブリーダーにと 推薦された……」


「えっ? いいんでっか
ワイの趣味で人 入れまっせ…」


「……君は“彼”からの信頼も厚い ワタシと このボンドを盛り上げて欲しいとの言付けも預かっている…」

「……“彼”の頼み“サブリーダー”の件……
受けてくれるか……」


「……ワイで 良ければ
引き受けまっせ」


「…ただし サブリーダーとはいえボンドマスターと同じ権限がある……
メンバーを入会させる事も退会させる事もできる……」


「…………」


「……勝手に退会させられた冒険者から恨みをかうかも知れない……」


「ワイ 目立つから恨まれたら怖いわ〜」


「それでもサブリーダーになってくれるか?」


「任せとき! ワイのちからでボンドをでっかくしたる!」



「…頼もしいな……」


「…まぁ メンバーの除名はワタシがやろう…
これもボンマスとしての務(つと)めだ……」



「あんさん……
何かツライことがあったらゆうてくれ 相談にのりまっせ……」


「……あぁ そうさせてくれ……しかし 俵?に言われてもなぁ……」


「ほっとき! これはワイの正装なんや!本体なんや!よ〜見てみぃ プリチィやろ?」


「ハハハ……まったく
君には敵(かな)わないな……」


「いやいや 二代目ちゃんには敵(かな)わへんて 」


「…汚れ仕事(メンバー除名)はワタシに任せて 君はメンバー勧誘を頼む
すでにワタシの肌は黒いからな……」


「何をゆうとります 健康的な日焼けやないですか
ワイなんて なまちょろい肌の色や そんなに気にせんときや〜」


「……ありがとう
これからもヨロシク頼む…」


「任せて〜な 大船乗ったつもりでいたってや〜」


「…泥舟の間違いではないのか?」


「きっついなあ……
あんさん ひとこと多いで……」


「…ハハッ 違いない……」



こうしてサブリーダーに少年はなったのでした……
このボンドうまく いくといいですね……
では みなさん よい夢を…